鮮やかな朝焼けが見られたので理由を考察する
はじめに
私の最終目標はwindy.comの雲予報を使って朝焼け(夕焼け)を予測することです。それを実現するためには、美しい朝焼けが見られる条件を明らかにしなければなりません。果たして空がどんな様子の時に美しい朝焼けが見られるのでしょうか?
先日美しい朝焼けや夕焼けの発生条件について色々と考察しました。
この考察の結果、美しい夕焼け(朝焼け)には以下の条件がありそうだと推測が出来ました。
- 太陽の沈む方向(200-400km?先のある程度の領域)が晴れている。
- 観測地点周辺(0-200km?先のある程度の領域)に上層雲が広がっている。
- 太陽の沈む方向には中層雲や下層雲がほとんどなく光が遮られない。
- 上層雲の程よい厚さ(1000m以下?)。
- 太陽の沈む方向や観測地点周辺の視界が良好で(10km以上?)雲や霧などで光が遮られない。
果たしてこの推測された条件は妥当だったのでしょうか?
6月に入ってすぐの頃にwindy.comの翌日朝の予報を眺めていたら、上記条件に合致しそうな、朝に焼けそうな感じの雲分布だったので、出かけて朝焼けを見てきました。運の良いことに、鮮やかな朝焼けに出会えました。そこで今回は撮れた写真を示しつつ、いつものようにスクリーンショットにとったWindy.comの雲分布等を見ながら、推測の妥当性を検証します。雲がどんな様子の時に綺麗な朝焼けが見られるのでしょうか?
写真
今回の写真は6月某日に宮城県某所で撮りました。まずは撮れた写真を時系列で示します。
雲分布等
windy.comの雲分布予報のスクリーンショットを使って、今回の綺麗な朝焼けに寄与した要因を探ります。ここでは以前提起した夕焼けの条件と照らし合わせながら考えていきます。ちなみにこの時期の太陽は北東方向から上がってきますので、撮影場所の宮城県の北東方向の雲の分布に意識してご覧ください。
雲
windyの雲分布において黄色の領域は雲がほとんどないことを示しています。観測地点から日の出方向に300-400km先、青森県の東方の海上周辺が晴れています。ここから太陽光が差し込んで来たのでしょう。はじめに提起した条件1が当てはまっていると言えそうです。
上層雲
上層雲が東北南部以南を広く覆っています。観測地点から200km先あたりまで上層雲に覆われていて、その先は晴れています。この上層雲が赤く染め上げられるわけです。条件2が当てはまっているのではないでしょうか。
中層雲
太陽のあがってくる方向数100km先に中層雲がほとんどありません。おかげで赤い光が途中で遮られないで届きます。
下層雲
下層雲も気にすべき領域にほとんどありません。これで太陽光を遮るものは何もありません。中・下層雲がほとんどないので条件3を満たしています。
雲頂
雲頂は10600mでそこそこ高いところに広がっているようです。
クラウドベース
クラウドベースは10500mということで、雲の厚さは100mくらいでしょうか。場所によるとは思いますが、状況を鑑みれば、高いところに薄い雲が広がっている事は確かなようです。条件4に当てはまると言えそうです。
視界
視界は十数kmあって悪くないようです。条件5の視界の良さも満たしていそうです。
ここまで雲分布等から読み取れたことを総合すれば、はじめに提起した美しい朝焼け夕焼けの条件は、見当違いではないと思われます。朝焼け夕焼けを予想するのにwindy.comの雲分布はある程度参考になりそうです。
あとがき
とはいえwindy.comの雲分布等を見て、条件を満たしていると思えた時でも100%このように焼けたわけではありませんでした。何か考慮から漏れている朝焼け夕焼けの条件があるようです。一応イマイチだった時の写真とwindyのスクショはとってあるので、後ほど考察する予定です。現時点の推測では、空気のチリホコリ或いは水滴が多過ぎて、ミー散乱で白っぽく色がくすんでしまったのだと考えています。だとすれば雲分布だけでなく、レイリー散乱やミー散乱を起こす大気中の分子や微粒子についても真面目に考えた方が良さそうです。理想としては雲分布だけで焼けるか否かの判断が出来れば楽なのですが、そう単純ではないようです。本当に朝焼け夕焼けは奥が深いものです。